社会福祉法人 光風会

はまのつぶやき 2015/4/1

「この子らを世の光に」

今年も新人職員を迎えた。
気の利いた言葉を贈りたいと思うが、なかなか浮かぶものでもない。
その中で、福祉を志す私たちのバイブルといわれているものがある。
「この子らを世の光に」にという糸賀一雄先生の言葉である。
「この子らに世の光を」ではなく、「この子らを世の光に」にして憐みではなく畏敬の念を持って接し大切に育てようということでしょうか。

糸賀一雄の最後の講義~愛と共感の教育~(中川書店)は、亡くなる前日の講義をテープ起こしした本である。
中身を紹介してみる。

『目の前にいる人を豊かで深みのある理解をするためには枠付けした見方をするのではなく、
そのような気持ちからまず自らが解放されなければならない』と指摘している。

そして『自分自身との対決のないところの職員なんてのは、これはカスみたいなもんであります。
ね、どこかの人形でも雇ってきておけばいいわけです』と厳しく問いかけている。

『現場というのは教育だとか施設だとかの現場というのは、児童福祉一般、基本的人権なんてことをあんまりガツガツ言うとるんじゃございませんですよ。
それより今あなたがおしゃったように、あの子、この子という子どもがかわいくなるんですよ。

一人ひとりと向きあい、共感しかわいいと思う気持ちや、社会への怒りから行動が生まれ、
それを積みかさねる先に、教育愛や人間的な愛情が昇華されてされていく』と語りかける。

『私はいま、理屈を言っているんです』と前置きして、『みなさんとともに、その理屈が理屈ではなく自分の本当の心の動きにまで、
何年かかってもいいではありませんか。もう、その道行というものは、目標というものははっきりしているんだから、何年かかってもいいから、
あわてず急がず、本当にわが心の中に愛を育てていきたいと思います。
愛というものは育つものです。
愛がもともとあるから育つものです』と私たちに呼びかけています。

これは、日本知的障害者福祉協会機関紙「さぽーと」誌2010年5月号「ライブラリー」に掲載されている、
阪口光男編集出版企画委員の書評をそのままですが、新人職員のみなさんにぴったりだと思いましたので拝借しました。

糸賀一雄先生は光風会の前身である、光風園の昭和28年開設でお世話になり、看板も直筆で残されています。
また、近江学園時代に作陶された湯呑も贈られています。

とても身近に感じられる方です。
糸賀一雄生誕100年を記念していろいろな本が出版されています。
読んでみてはいかがでしょうか。